2016年8月1日月曜日

【韓国版ロボプラ】韓国版スージーはメタナイトに優しい

同じタイトルの海外版ソフトは言語の違いからセリフの意味合いがなんかちょっと違って面白い…
なんて経験がある方も少ないながらいらっしゃると思うのですが…

「星のカービィ ロボボプラネット」にはおそらく意図的と思われるスージーのセリフの内容変化があります。

その前に
変化している内容について解説する前に、まず「日本語→韓国語の翻訳は意味が変化しにくい」ということを説明しておきたいと思います。

皆さんなんとなくお分かりだと思いますが、外国語へ翻訳する時に意味合いが変わることがあるのは言葉の構造が違うことがわりと大きな要因として挙げられるでしょう。

例えばこんな例を挙げてみます。ロボプラのムービー「社長室での決闘」についてです。
このムービーの日本語タイトル、英語タイトル、韓国語タイトルを書いてみます。
  • 社長室での決闘
  • Duel in the President's Office
  • 사장실의 결투
次に、日本語タイトルと、英語タイトルを単語ごとに翻訳しただけの文(日本語として自然な語順にしていない文)を並べてみましょう。
  • 社長室での決闘
  • 決闘 ~で (the) 社長の 執務室
こうして見てみると、改めて日本語と英語は構造が違うなぁと思いますね。文の構造が全く違う言語への翻訳は、「意訳」となる部分がとても多いと思います。英語の場合だと学校なんかで教えられる「一般的・模範的な訳し方」的なものも、ぶっちゃけて言ってしまえば意訳に含まれると思います。(個人的な意見なので、そのへんご承知願います)


ところで、話は変わりまして韓国語は現在、ほとんど「ハングル」と呼ばれる文字しか使っていまっせん。しかし、かつては漢字が用いられ、日本語と同じように漢字とハングルを併用していました。(ちなみに、現在の韓国では漢字の使用が再び盛んになりつつあります)
その上韓国語というのは文の構造が日本語と同じなんです。
と、ここで「社長室での決闘」の日本語タイトルと、韓国語タイトルを漢字で書ける部分を漢字で書いたものを並べてみましょう。
  • 社長室での決闘
  • 社長室의 決闘
韓国語がいかに日本語に近いか、お分かりいただけたと思います。先述のように、韓国語が日本語に似ているということも相まって、韓国語を日本語に訳す時、あるいは日本語を韓国語に訳す時は、順番に単語を翻訳していくだけでほとんど違和感無く訳し切ることができるのです。もちろん、時々ちょっと意味合いや使われ方が違う言葉もあって、単純な直訳だと誤解を生むことは無くはないのですが…とは言え日本語に最も近い外国語は韓国語と言って間違いはないでしょう。

ということで、韓国語と日本語の翻訳は文章の構造が近いゆえ、「意訳」というのが他の言語との翻訳に比べてあまり必要なく、言葉の意味が変わりにくいことはお分かりになったかと思います。
それでは本題、韓国版のスージーさんがメタナイトに優しい話についてです。

ステキな全身カイゾウ

「ステキな全身カイゾウ」には、以下のようなセリフがあります。
ちょっぴり 全身カイゾウして…
わが社の セキュリティマシンと
させて いただきました。
これは韓国版だと以下のようになっています。
살짝 전신 개조를 한 다음…
우리 회사의 시큐리티 맨으로
채용하게 되었답니다.
これは訳すとこんなかんじになります。(あまり上手い訳ではないかもしれません…)
ちょっと全身改造をして…
我々の会社のセキュリティマンとして
採用することになりました。
セキュリティ「マシン」ではなく、セキュリティ「マン」という言い方になっています。
「マシン」や「機械」という言い方が韓国語に無いというわけでもないので、これは意図的に「機械扱いを避けている」可能性があります。
とはいえ、この程度では本当に優しいか?と思われることと思います。
そう、意図的に機械扱いを避けていると見られるシーンはもう一つあるのです。

社長室での決闘

「社長室での決闘」には、以下のようなセリフがあります。
あのスクラップを わが社の テクノロジーで
大型アップデート。
ねむること なく
24時間 はたらき つづける…
むじひな 戦とうロボに、
しあがりました。
これは韓国版だと以下のようになっています。
우리 회사의 놀라운 기술력으로
대폭 향상된 괴력!
한시도 쉬지 않고
24시간 풀타임으로 일하는…
무자비한 전투 로봇이
탄생했거든요.
これを訳すとこんなかんじになります。
我々の会社の驚くべき技術力で
大幅に向上した怪力!
いっときも休むことなく
24時間フルタイムで働く…
無慈悲な戦闘ロボが
誕生しました。
お分かりでしょうか。出だしの部分はかなり内容が違います。 特に注目すべきは「スクラップ」という表現が消されていることでしょう。
最後に「戦闘ロボ」という表現が出てくるものの、あまり「物扱い」されていないと見ても良いのではないでしょうか?
ここまで見てしまうと、少しだけですけど、「韓国版のスージーはメタナイトに優しい」と思いませんか?

これらの変更にどのような意図があるのかは不明です。
言語の違いの問題なのか、政治的または社会的な問題なのか、はたまた翻訳担当者の好みの問題なのか…
少なくとも今の私にはその理由を解き明かせそうにありませんが、理由は置いておいてこの奇妙な変更点を楽しむのも良いのかもしれません。

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